Begining of The Story
ここはヨーロッパの西の果て、アイルランドの大西洋を臨むモハーの断崖、ここに佇んでいると、吹きつけてくる風に混じって遠い歴史の彼方から誰かの声が聴こえた。
そして、私の中に、あるイメージが湧き上がり、それが物語となって周り燈籠のように動き始めた。それがこの物語の出発点である。キリスト教以前のヨーロッパはケルトの文化に覆われていた。その文化は樹木を崇拝し、太陽と月を信仰する社会の下で成り立っていた。そんな時代のイメージが愛おしくもせつなく胸に迫ってくるのは現代という時代性に無縁ではない。そんな感慨を胸にスタートしたのがこの物語である。
遥か彼方にアラン諸島が見える Photo: FUIGOLAND LLC
Celtic Melody
Danny Boy
Ballad of the Goddess from The Legend of Zelda - Skyward Sword
Celtic Music
郷愁漂うDanny Boyの原型は17世紀から歌い継がれてきた「Londonderry Air(ロンドンデリーの歌)」である。ロンドンデリーはアイランド北西部の港町でケルト人たちの末裔が多く住んでいると言われている。Danny Boyのメロディは19世紀に路上で演奏していた盲目のヴァイオリニスト、ジミー・マッカリーから女性の民謡収集家、ジェイン・ロスが聞き取り採譜したものだと言われている。
(参考:佐々木モトアキTap the Popより)
Celtic MerodyまたはIrelish Merodyの曲を聞くと哀愁の漂う、そこはかとない余韻が胸を打つ。それは遠い過去に誘うメロディで、まさしく遠い過去から演奏されている旋律が現代に届いているかのようである。太古のケルト人が大地を縦横無尽に行き交いながら太陽と月を愛で、そして樹木を信仰していたあの時に奏でたメロディは歴史の風に乗って、今届いているようにも思える。
タラの丘 Photo:Google
Celtic Story
「ICONIC WORLD」
「ICONIC WORLD」に収めらている二つの本は「ケルトの夕映え」、「タラの丘のプリンセス物語」です。この本の着想を得たのはイギリス、アイルランド、そしてフランス、ドイツを旅をしてからのことでした。特にアイルランドを旅した時の自然景観には感動を覚えました。一言で言えばドラマチックという言葉でしょうか。ここでは二つの本を紐解きながらケルトの自然や文化を見て行きましょう。
タラの丘のプリンセス物語
©️monami
「タラの丘のハイキング、グレートスはエリンの諸王国を統治していた。ある日、5月のベルティーン祭の「5月の花嫁」に選ばれたアルスター王国のプリンセス、サラがタラの丘を通りかかった。そしてハイキングの王子、オーレンと運命的な出会いがあった。」タラの丘のプリンセス物語より
©️manami
Celtic Music: Flute Music, Fantasy Music
聖ブリギット教会(アイルランド、キルデア)」
タラの丘のプリンセス物語はキルデアの農夫の家を訪ねてきた吟遊詩人の話から始まります。キルデアは聖ブリギットの所縁の地です。
聖ブリギット教会の物見の塔
物見の塔から見下ろしたキルデアの街
アラン諸島、イニシュモアから眺望するモハーの断崖と島の風景
イニシュモアの夕暮れ時の丘の上のサンクロス
ケルトの夕映え
Photo: FUIGOLAND LLC
主人公、アイリーンは子供の頃からケルト文化に触れ、好奇心旺盛な少女であった。そしてケルトの歴史や文化を更に探求するためアイルランドからイギリスへと旅立った。
Iconic World Tour
現代においても古代の遺跡や過去の世界の痕跡を風景の中に見出すことがある。そして、その風景は古代より連綿と今日に続いている。その歴史の中で幾多の世界を変える出来事やそこで生きる人々に幾多の物語があったのだろうか。その歴史のその場所を幾多の人々が往来したのだろうか。そしてその場所を今日も幾多の人々が、それぞれの想いを胸に抱いて通過する。イギリス、南イングランドの道をドライブしていると、眼前に現れた緩やかな緑の山の斜面にホワイトホースが浮かんできた。そのホワイトホースは山の中腹に描かれたヒルフィギアであった。先史時代の遺跡と称されるものであるが、大地のアイコンのように思えた。このアイコンに誘われてアイコンを巡る旅がスタートした。
Photo: FUIGOLAND LLC
先史時代の遺跡とケルト文化とは直接の関係はないが、ケルト人たちが先史時代の思想や世界観に憧憬しこれを引き継いでケルト文化を醸成したのではないだろうか。またケルト人たちは先史時代の遺跡やオークなどの樹木をアイコンとすることで、豊かな世界観を創り上げて行ったのではないだろうか。そんなアイコンを巡る旅の始まりである。
ケルトの歴史、文化、自然をアイルランド、イギリス、フランス、オーストリア、ドイツから紹介していくケルトツアー。太古の歴史を持つケルト文化
であるが、現代と言う地表から顔を覗かせている。
フランス、ブルターニュ地方カルナックのドルメン
フランス、ブルターニュ地方カルナックのメンヒル(柱状列石)
3000にも及ぶカルナックの柱状列石
Photo: FUIGOLAND LLC
オーストリア、ハルシュタット湖
オーストリア、ハルシュタット湖
ICONIC WORLD
アイコニック・ワールド
玉田 俊郎=著
(東京造形大学教授)
「ケルト」って何?ケルトの「アイコン」や「シンボル」にはどんな由来があるの?本書は、ケルト文化を解説する小説と、冒険ファンタジーの2巻からなります。有史以前から続く風景の写真と、挿絵が、はるか彼方のアイルランドの世界へと読者を誘います。
2020年3月刊行予定 2冊組(ケース入り)四六判 仮フランス装 定価=3,500円+税 発行=FUIGOLAND発売=東方出版
フイゴランド
宮城蔵王の山裾にある小さなログキャビン、これがFUIGOLANDの本拠地です。自然豊かなこの場所は野鳥やニホンリスも多く生息し、早朝には木立のリスの駆け回る姿を見ることができます。夜に空を見上げれば満天の星を見ることができます。ログキャビンは小さなギャラリーT&Mを併設しており18世紀から19世紀の主にイギリスの動植物と風景の手彩色の版画を展示しています。そして、12月のクリスマスにはバイオリン、フルート、ピアノによるコンサートの会場となっています。
About FUIGOLAND LLC
日本の豊かさは水です。その水は山岳から湧き出す伏流水が川となり、大地を潤し生命を育みます。ここに掲載している川の画像は鳥海山の伏流水です。この伏流水がやがて、川となり大河となって海に注ぎます。川は生命を育ますが、同時に文化も育ます。川によって水運が盛んとなり、多くの文物が東に西に、そして人の交流も東に西に盛んに行われました。それは海と川によって育まれました。そんな想いをベースにFUIGOLANDが生まれました。「FUIGO」とは鍛治で用いる鞴(フイゴ)のことで炉に風を送る装置です。FUIGOLANDはそんな風を川伝いに送りたい、という想いでスタートしました。
Project
現在、FUIGOLANDではいくつかのプロジェクを進め、また参加しています。サポートプロジェクトは外部のプロジェクトです。
ICONIC WORLD
Support Project
会社名 | 合同会社 FUIGOLAND |
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本社所在地 | 〒989-1501 宮城県柴田郡川崎町前川六方山4-49 |
東京オフィス | 〒166-0013 東京都杉並区堀ノ内1ー8ー3ー920 |
設立 | 2019年6月 |